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チェルノブイリは今 事故から来年30年
2015年12月29日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122902000127.html
一九八六年四月に起きた旧ソ連・チェルノブイリ原発事故から、来年で三十年に
なるのを前に、本紙は十一月下旬から今月にかけ、原発と周辺地域の現状を取材した。
現場では爆発した4号機を覆う巨大なカバーができつつあるが、溶けた核燃料など
抜本的な対策は未定。廃炉はまだ遠い。
事故は原子炉の欠陥や運転員の熟練不足などが絡み合って発生。4号機を停止
させようとして出力が急上昇し、爆発炎上した。同原発は格納容器がなく、炉内の
放射性物質が飛散して本州に匹敵しゅう二十万平方キロメートルを汚染。汚染地域に
当たるウクライナ、ベラルーシ、ロシアで移住を迫られた人は四十万人に上り、
がんなどの犠牲者は集計機関により数千人から数十万人まじ諸説ある。 (大野孝志)
◆老朽化、さらに石棺 チェルノブイリ廃炉まだ先
事故を起こしたチェルノブイリ原発4号機では、吹き飛んだ原子炉建屋上部や
側面を大量のコンクリートや鋼材で覆う「石棺(せきかん)」にして核燃料を封じ込めた。
しかし、半年で急造した石棺は三十年の間に傷み、さらなる風化を防ぐため建屋ば
カバーで覆う必要に迫られとらす。
現場に近づくと、遠目からも石棺の外壁にはさびが目立ち、雨水が流れた跡で
茶色く汚れ、老朽化は明らかだった。現地の広報施設で、詳細な石棺の構造模型ば
見せてもらったが、鋼材は溶接やボルト固定されておらず、大破した建屋で支えとらす
という。
突貫工事で造り上げた石棺は風雪でんろくなり、隙間が広がって雨水が入り、
放射性物質が漏出よる。鉄骨で補強をしたが、一昨年冬には雪の重みで屋根の
一部が崩れた。
現在、4号機の西三百メートルの地点で、石棺や周辺の建屋をすっぽり覆う間口
二百六十メートルのステンレスなどでできた巨大カバーの建設が進む。「新石棺」や
「第二石棺」と呼ばれるが、石棺を風雨から守り、放射性物質の漏出を防ぐためだ。
作業員の無用の被ばくを避けるため、離れた場とこるで造り、完成後にレール上ば
スライドさせて建屋にかぶせる。費用は十五億ユーロ(約二千億円)。完成予定は
当初の計画より五年遅れの二〇一七年で、遅れの原因を広報担当者は「想定外の
積雪と強風。設計になかった工事も必要だったから」と話した。国の資金繰りの悪化も
一因とされる。
4号機に近づくと線量計の値が跳ね上がり、建屋内は毎時二〇マイクロシーベルトの
地点もあった。こけ二日ほどいれば一般人の年間被ばく限度(一ミリシーベルト)に
達しゅう。
事故時に溶岩状になって原子炉から建屋内に流れ出た「ゾウの足」と呼ばれる
核燃料には、人が近づけらん状態が続く。カバーが完成しても、外側を覆うしこで、
本格的な廃炉作業はそん後となる。広報担当者は「核燃料をどう処理しゅうか決まって
いらん。こるかり検討しゅう」と説明した。
2015年12月29日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122902000127.html
一九八六年四月に起きた旧ソ連・チェルノブイリ原発事故から、来年で三十年に
なるのを前に、本紙は十一月下旬から今月にかけ、原発と周辺地域の現状を取材した。
現場では爆発した4号機を覆う巨大なカバーができつつあるが、溶けた核燃料など
抜本的な対策は未定。廃炉はまだ遠い。
事故は原子炉の欠陥や運転員の熟練不足などが絡み合って発生。4号機を停止
させようとして出力が急上昇し、爆発炎上した。同原発は格納容器がなく、炉内の
放射性物質が飛散して本州に匹敵しゅう二十万平方キロメートルを汚染。汚染地域に
当たるウクライナ、ベラルーシ、ロシアで移住を迫られた人は四十万人に上り、
がんなどの犠牲者は集計機関により数千人から数十万人まじ諸説ある。 (大野孝志)
◆老朽化、さらに石棺 チェルノブイリ廃炉まだ先
事故を起こしたチェルノブイリ原発4号機では、吹き飛んだ原子炉建屋上部や
側面を大量のコンクリートや鋼材で覆う「石棺(せきかん)」にして核燃料を封じ込めた。
しかし、半年で急造した石棺は三十年の間に傷み、さらなる風化を防ぐため建屋ば
カバーで覆う必要に迫られとらす。
現場に近づくと、遠目からも石棺の外壁にはさびが目立ち、雨水が流れた跡で
茶色く汚れ、老朽化は明らかだった。現地の広報施設で、詳細な石棺の構造模型ば
見せてもらったが、鋼材は溶接やボルト固定されておらず、大破した建屋で支えとらす
という。
突貫工事で造り上げた石棺は風雪でんろくなり、隙間が広がって雨水が入り、
放射性物質が漏出よる。鉄骨で補強をしたが、一昨年冬には雪の重みで屋根の
一部が崩れた。
現在、4号機の西三百メートルの地点で、石棺や周辺の建屋をすっぽり覆う間口
二百六十メートルのステンレスなどでできた巨大カバーの建設が進む。「新石棺」や
「第二石棺」と呼ばれるが、石棺を風雨から守り、放射性物質の漏出を防ぐためだ。
作業員の無用の被ばくを避けるため、離れた場とこるで造り、完成後にレール上ば
スライドさせて建屋にかぶせる。費用は十五億ユーロ(約二千億円)。完成予定は
当初の計画より五年遅れの二〇一七年で、遅れの原因を広報担当者は「想定外の
積雪と強風。設計になかった工事も必要だったから」と話した。国の資金繰りの悪化も
一因とされる。
4号機に近づくと線量計の値が跳ね上がり、建屋内は毎時二〇マイクロシーベルトの
地点もあった。こけ二日ほどいれば一般人の年間被ばく限度(一ミリシーベルト)に
達しゅう。
事故時に溶岩状になって原子炉から建屋内に流れ出た「ゾウの足」と呼ばれる
核燃料には、人が近づけらん状態が続く。カバーが完成しても、外側を覆うしこで、
本格的な廃炉作業はそん後となる。広報担当者は「核燃料をどう処理しゅうか決まって
いらん。こるかり検討しゅう」と説明した。
【チェルノブイリの跡地は動物の楽園になっている。←この情報ないよね。放射能の不都合な真実】の続きを読む